ロジカルシンキング講座
自己紹介
アリストテレス曰く、人を説得するための三要素は
・ロゴス
・エトス ・パトス
自己紹介
セラク株式会社 山口 浩太郎
物理学科卒・数学応用数理専攻修了後エンジニアとして就業。
その後、学士編入試験を志すも、エンジニアとしての可能性に気づき、
2017年株式会社セラクへ入社。
エンジニアとしてのキャリアを再スタートし、
現在、企業内のクラウドシステム化を目指した研修業務に携わる。
背景
理系出身者であれば論理的な思考ができるのか?
NO
目的
本講義が論理的思考を理解するためのきっかけとなること。
そのため、厳密な定義は割愛し、平易な言葉やイメージで代用する。
論理的に考えるとは
物事を集まりとして考えるということである。
論理から連想されがちなもの
- 語彙力→特別な言葉による表現は重要ではない。むしろ、基本的な接続詞を使いこなせることの方がより本質に近い。
- 頭が固い・頭が良い→人の性格や能力によらない。道具として万人に扱ってもらいたい。
集まりとして考えるとは?
- 含まれる・含まれないを考えるということ
- 包まれる・包まれないを考えるということ
含まれる・含まれない
含まれる

含まれない

包まれる・包まれない
包まれる

包まれない

条件
条件を満たす人の集まりについて

同じ役割を持っている

条件とは
条件はその条件を満たすか否かによって物事の集まりを定める。
その一方で、物事の集まりはその集まりに含まれるか否かによって条件を定める。
すなわち、条件とは物事の集まりそのものである。
表現の違い
- 外延的記法(がいえんてききほう)要素を1つ1つ並べて集まりを表現する記法
- 内包的記法(ないほうてききほう)言葉や式で集まりを表現する記法
内包的記法についての補足
- 換言の重要性
「九州生まれ」「沖縄、または鹿児島、または宮崎、または熊本、または大分、または福岡、または佐賀、または長崎生まれ」
- 同じ条件を判断することの難しさ「この部屋にいる身長180cm以上の人」「この部屋にいる身長181cm以上の人」
ここまで
条件というキーワードは物事の集まりであることを確認した。
しかし、まだ、この考え方やキーワードがどのように論理へと結びつくのかわからない。。。
これから
この条件と「包まれる・包まれない」という概念から、
必要や十分、そして目的や手段といったキーワードを理解し、
それが論理と強い結びつきがあることを確認したい。
必要・十分
必要条件・十分条件
高校数学で、必要条件・十分条件を勉強した方もいらっしゃるのでは?
そう、必要・十分は条件、すなわち、物事の集まりである。
必要
言葉の定義と日常用語としての意味に乖離があるため、
意味や使われ方を再確認したい。
日常用語としての必要の使われ方
- 遠足には運動靴が必要だ。
- 遊園地には観覧車が必要だ。
- 紐を切るためにハサミが必要だ。
必要の定義
必ず要ること。
日常用語としての必要の使われ方
- 遠足には運動靴が必要だ。→長靴で遠足に行く。
- 遊園地には観覧車が必要だ。→東京ディズニーランドには観覧車がない。
- 紐を切るためにハサミが必要だ。→カッターを使って紐を切断する。
日常用語としての必要の使われ方
すなわち、必ず要るという意味では用いられていない場合がある。
必要を論理の道具として使う場合には辞書的な意味で使ってもらいたい。
十分の定義
- 不足のないさま。
- 必要なだけ、またはそれ以上あるさま。
十分の使われ方
- 倉庫には十分な量の食料がある。
- 君はこの仕事をするには十分な能力がある。
量や種類が多くある、または多くの条件を満たしているということ。
多くの条件が重なった時どうなるか?
必要・十分
なぜ理解し辛いのか?
なぜならば、
必要と十分をセットで考えていないため。
必要と十分は単独では使用されない。
必要を扱う場合は、何が満たされるときに必ず要るのかを考える。
その何にあたるものが十分条件となる。
一方で、十分を扱う場合は、十分であるときに何が満たされているのかを考える。
その何にあたるものが必要条件となる。
主張には必要・十分の構造をとるものが多くある
例)この特製チーズケーキは食べてみなければ味がわからない。
何についての主張なのかを整理する

条件を探す

条件を探す

包む包まれるの関係を整理する

主張が正しくない時

目的・手段
良く見聞きするが、必要と同様に、意味があいまいなまま使われていることが多い。
目的・手段の可視化
必要・十分を用いて、目的・手段の関係を可視化する。
目的・手段を語るには
- 必要・十分を用いてその論理的構造を可視化する。
- 合目的的であるか否かに注意する。